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慢性的な人手不足マネジメント高度な専門職優秀な人材の離職入社後とのギャップコミュニケーション能力

2018/11/15

離職を抑えるために、今必要なこと

コールセンター業界の離職率の高さは長年問題視されてきました。
さまざまな原因がある中で、今回は企業側の原因による離職について考えていきたいと思います。
慢性的な人手不足による企業の危機
ひとつの企業に長く居続けることに対して、ひと昔前ほど価値や重きを置かれなくなった昨今──。
とはいえ、離職率を低く抑えるということは、今までもこれからも企業として尽力をし続けなければいけない事柄のひとつです。

離職率が高く人材が安定しない状況というのは、企業そのものが安定して存続することが難しい状況ということです。

せっかく入社し、育てた人が何らかの理由で辞めていき、その穴を埋めるべく人材募集をするも、離職率が高いために常時求人広告を出さなければいけない状態の企業はそれだけで求職者からも嫌厭され、慢性的な人手不足から抜け出すことが困難になります。
しかし、企業は人手不足に陥っても生産性を保たなければならず、人手不足をカバーするために既存の従業員ひとりあたりの作業量を増やす必要が出てきます。
人手不足のしわ寄せで負担が重なった従業員は、ワークライフバランスの崩れから徐々に仕事に対しての意欲を無くし、それまで意欲的だった優秀な人材をも離職へと繋げることになります。──そして最終的に、企業は機能しなくなるのです。
コールセンターの離職の原因
コールセンター業界の離職率の高さは業界内外問わず有名で、その背景には「就業内容に対する不満」と、上司である「管理者(Mgr・SV)に対する不満」という、企業側に原因がある離職が理由として挙がることがあります。
就業内容に対する不満
就業内容に対する不満は、適性のない人材を採用してしまったことが大きな原因といえます。
面接時や入社時に耳障りの良いことだけを伝え従事させようとした場合、入社後にギャップが発生します。

コールセンターの仕事は「誰にでもできる簡単な仕事」と謳われがちですが、実際には、商品に対する膨大な知識を覚えることや、クレームに対する適切な対応など、求められることは際限なくあるのです。
就業内容に対する不満を持っている管理者や従業員がいた場合は、求人広告の記載から面接・研修の内容を見直す必要があり、人手不足だからといって目先の利益ばかりを求めず、まずは適性のない人材の雇用を防止していく必要があります。
管理者(Mgr・SV)に対する不満
次に、現場のOPから挙がる管理者(Mgr・SV)に対する不満には、まず管理者の職務定義・業務範囲・権限曖昧になっていることが原因に関係しています。

実際に顧客の対応をするOPにとって、管理者は頼るべき対象であり、問題を収束するための判断や決断をする権限のある存在です。
OPが顧客の対応をする中で問題が起こった場合や、イレギュラーな対応が必要そうな場合など、どのような対応・処置をすべきか悩んだ時には、都度、管理者に決断を委ねなければいけない場面があります。

しかし、現場の指揮をとるマネージャーやSVには、OPの育成やシフトの管理なども含めたセンターのさまざまな問題が集まってきます。
SVの職務は、やるべき業務があやふやな上にやらなければいけないことが多く、ただ雑務に追われるという状況になりがちです。
そうして多忙になった管理者は、現場でのOPの悩みや困難に気付き対処することができず、関係を悪化させていくことがあります。

また、センターには管理者の適性の基準を設けてマニュアル化しているセンターも多々ありますが、その適性の基準には現実的でない希望的観測な事柄が多く含まれやすく、実際の業務に沿っていない的外れな設定になってしまっていることがあり、センターを運営していく中で管理者・OP両者から不満が噴出することが多くあります。

管理者が本当にやるべき仕事はなんなのか?管理者とはどういう存在なのか?という管理者としての立ち位置を考え直すために、今一度業務の棚卸をしてマネージャー・SVの職務定義・業務範囲・権限をセンターの中で明確にし、共有しておく必要があります。

さらに、フラストレーションの溜まりやすい管理職のために、その下にいるOPやその先の顧客のフラストレーションを軽減するためにも、現場に合った管理者の適性を定め、マインド教育や外部研修をも含めた計画的なSV育成プログラムを構築することが重要です。
コールセンターの仕事の価値
コールセンターでの仕事は誰にでもできる仕事だと思われがちですが、実際は高い精神力や対応力を要する"高度な専門職"です。
誰にでもできる仕事に見えて、その内側はプロフェッショナルと呼ぶべきほどの商品に対する情報や、顧客との高いコミュニケーション能力を要します。

管理者がOPに対してのコミュニケーションをおざなりにしてしまうと、その分離職率は高くなります。
その逆に、クレームが多いセンターでその対応に挫折しそうな時、社員やSVのサポートが充実していれば、それだけでOPのストレスを軽減することができるのです。
また、入社時の研修だけではなく、新しいマニュアルが追加されたらその都度研修を行い、全員ですり合わせを行えるセンターは、離職率を抑えることができます。

管理者はどんなときも現場のモチベーションをコントロールすることが大事です。
その時の気分に流されて現場を振り回してしまうことは、OPの先にいる顧客までも振り回すことになってしまいます。

離職を抑え、風通しの良い会社・質の良い人材のために、適性に合わせた管理者の育成、そんな管理者が行うOPに寄り添うマネジメントが必要不可欠なのです。

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