Home >  ブログ一覧 >  企業の生産性向上における、従業員のモチベーション管理

CATEGORY:コラム facebookLINE
TAG:

モチベーション管理生産性向上外発的動機づけ内発的動機づけ欲求5段階説自己実現離職率顧客に対する貢献度

2018/12/25

企業の生産性向上における、従業員のモチベーション管理

近年では労働人口の減少により生産性の向上というフレーズをよく耳にします。当然これはコールセンターでも同じことです。
コールセンターの離職率はお世辞にも低いとは言えず、その要因の一つに、モチベーションの維持が難しいという事があります。
そこで今回は、生産性の向上という課題に対して、業務フローではなく従業員のモチベーションに焦点をあてて考えてみたいと思います。
そもそも何故モチベーションが高いほうがいいのか
一般的にはモチベーションが高い従業員というのは、意欲的に業務に取り組み、自身で業務改善などを考え行動できるといった事を指しますが、このような従業員は必然的に業績も良く、顧客に対する貢献度も高い傾向があります。
個人の能力や適性というよりも、モチベーションを高く維持するという事は、常に現状の最大限の結果を生み出せるという事につながるのではないかと考えています。
逆にモチベーションの低い従業員というのは、自身からは動かず指示されたことだけを惰性でやる、たとえ個人の能力は高かったとしても、やる気のない発言などで周りの士気を下げるなどといった、組織や業績に対して悪影響を与える言動が多いように思います。
こう考えてみると生産性の向上・業務改善というものは、業務フローの見直しと同じくらい従業員のモチベーションの管理が重要になってくるのではないでしょうか。
モチベーションの要因となる動機付けとは
モチベーションについて調べてみると、そもそもモチベーションを上げる動機となるものには以前の記事でも触れた「外発的動機づけ」と「内発的動機づけという大きく分けて2種類が存在することがわかります。
外発的動機づけとはモチベーションの要因が「報酬」「評価」「懲罰」「強制」など人為的な刺激によるものです。例えば「報酬」の外発的動機で説明をすると、給与やボーナスを上げるとモチベーションが上がる人は多いと思います。
しかし、時間の経過とともにその効果は薄れてきます。
外発的動機づけは不足すると不満が出ますが、満たしたからといって高いモチベーションを維持できるとは限りません。

続いて内発的動機づけですが、こちらは行動要因が自分自身の内面から沸き起こった、興味や関心から業務へのモチベーションに結びついています。
モチベーションの高い社員は、この内発的動機が要因であることが多いようです。

この動機づけについて有名なのが「マズローの欲求5段階説」です。
これは人がみな持っている欲求を5つに階層化して解説しており、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」という仮説をもとに作られた理論です。
これらの欲求は仕事へのモチベーション、動機づけとして当てはめることができるのではないかと思います。

1の生理的欲求は残業が多く寝る時間がない、休日も仕事で休む時間もない、お昼も忙しくて食べている時間がないなど比較的よく耳にする不満ですが、このような根本的な不満が出てしまう環境ではモチベーションが上がるわけがありません。

2の安全の欲求も基本的な欲求の為、満たされたからと言って大きくモチベーションが上がるとは言えませんが、しっかり整備されたルール、環境の中で仕事がしたいという根本的な欲求だと言えます。

それらの環境が満たされた職場で次に思うのが3の所属と愛の欲求です。職場の悩みで非常に多い人間関係ですが集団の中に自分の居場所を確保したい、周りの人間から好かれたい、避けられたくないと思う方がほとんどだと思います。人間関係でつまずいてしまうと必然的にモチベーションも低くなってしまうと思いますのでモチベーションを維持する上で非常に重要な部分ではないかと思います。

次に4の承認の欲求ですが、整った職場環境で周りの人間ともうまく付き合えている、という状態になると次は上司や周りから自分の仕事を評価されたい、尊敬されたいという感情が芽生えます。
これも仕事においての悩みでよく耳にしますが、これだけ結果を残しているのに評価に繋がらない、そもそも評価をされる制度が無いなど承認欲求に関する不満も非常に多いかと思います。当然これらの不満はモチベーションの低下に大きく関係する内容かと思います。

そして最後の自己実現欲求は自分の成長を実感したい、やりたい仕事で高い目標を達成したいという欲求になります。
最後に
一言にモチベーションといってもこれだけの動機づけから個々のモチベーションは変動しています。
仕事に対するモチベーションを維持する方法は、周りのメンバーとの日頃のコミュニケ—ションを通じて、一人ひとりの動機づけの要因を探り、メンバー個々にあった内発的動機づけをする事で欲求を満たしてあげることが重要だと思います。

慢性的な人手不足で、新しい人材の採用も思うようにいかない中、離職率も下がらず、更に業務に就いている従業員のモチベーションも低いとあっては、組織として高い生産性を実現することは非常に困難です。

その生産性の向上を図る上で、数字や工程ばかりを見るのではなく従業員のモチベーションを管理する事も、組織を大きくする上で大切なことではないでしょうか。

ブログ一覧に戻る